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カクンと頭が揺れ、意識が一瞬のうちに覚めた。
思い出や感傷に浸っているうちに頬杖をついて眠ってしまっていたみたい。
ゆっくりと体を起こすと、バサッと乾いた音と同時に、肩からスッと冷えた。
その感覚に身震いして床を見ると、見慣れないコートが広がっている。
「あ、起きたんだね」
「はぇ……?」
正面の本棚の向こう側から人が現れ、ニッコリ笑いかけてくれる。
そしてようやく私の思考も濁りがなくなった。
「えっ…!?あっ…!?すいません!私寝てますか!?あれ!?」
「落ち着きなよ。僕の方こそ起こそうとしなくてゴメン」
綺麗な人だった。
声や一人称から推測して男性だと分かるけど、女性と言われても信じられるくらい。
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