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「はい、嬉しいです。…貴方のような優しいお客様に出逢えて」 「はぁ?」 男の言った意味が更に解らずますます眉間に深い溝を刻んだ。 「だって…、声を掛けて下さった上に一緒に連れていって下さいましたし。それにアドバイスまで」 「………はぁ?それのどこが優しいの?アンタに声を掛けたのは単に邪魔だっただけだから。変な勘違いしないでくれる?」 苛立ちを覚えながら男に言い返すが男の顔は変わらず笑顔のままで俺を見詰め返した。 (…何なんだ、コイツ。…イライラする) 「でもそれなら、一緒に連れてきて下さらなくても良かったでしょう?…でも、連れてきて下さった。やはり、お客様は優しいです」 「そ、それは…ま、またドアの前に立たれたままだったら邪魔になるだろ!!…だから」 慌てて否定しようとするが、やはり笑顔は変わらない。
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