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「そうだな…。ずっと摘まんどきたいくらいは気に入ったね。
……おい、その頬…誰か触った事はあるか?」
「…へ?…えっと、そんなには無いかと」
宙を仰ぎながら答える男に詰め寄るとグイッとネクタイを引っ張り、再び頬に手を添える。
「…だったら、これからは誰にも触らせるな。これは俺のものだ」
「…え?」
言われた意味が解らないのかキョトンとした男にニッコリ笑顔を向ける。
「俺はね…。気に入ったものが他の誰かが触れるのとか…許せないんだ。だから…ここは、俺専用…。解ったなら返事は?」
「え?…それって…「返事」」
「はいっ」
やはり不思議そうな顔のままの相手に更に詰め寄ると、咄嗟にかどうか解らないが俺に了承の返事をした。
「良くできました…」
満足した表情で告げ医務室の扉に手をかけ振り向く。
「じゃあ、またね…。閑」
そう言って部屋を後にした。
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