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おまけ。 情けない捨て台詞を吐いた男を軽くからかい終え、カジノのバーで喉を湿らせる。 「……今日は珍しく隠れないんだ?」 後ろに立つ薄い茶髪の少年に振り返りもせず声を掛ける。 「…やっぱり、気づいてたんだ?」 少し不機嫌そうな顔で、酒を注文する彼を見詰め薄く微笑む。 「…何?ヤキモチ?さっきの見てたんでしょ?」 「…なっ!?べ、別にヤキモチなんて妬いてないっ!!……アンタが、そういう遊びする人だって知ってるし」 勢いよく反論するも、徐々に小さくなる語尾に小さく苦笑してしまう。 「…あれは、遊びじゃないよ?今のとこ君の言う『お遊び』の相手は、君しかいないからね。…安心した?」 「…な、ななな…っ!!」 スルリと紅い頬を撫でると、ピンッと鼻の頭を指で弾く。 「いたっ!!」 鼻の頭を撫でながら、此方を睨む様が可愛くてつい笑ってしまう。 「……今日もお遊びしたい?」 「…………」 少し悲しそうに俯く少年を見詰め、小さく溜め息を吐いたあと少し高い位置にある頭に手を伸ばし撫でる。 ホントにたまんないね。 もう、遊びだなんて思ってないけど…。 それはまだ教えてあげない。
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