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暫しの沈黙のあと、閑が震える指先を自分の口許に持っていく。 …驚いてる。 そうだよな…。 男に告白されたんだ。しかも、こんなやつ。 閑は優しいから、傷つけないように断る言葉でも探してるのかな。 ジッと見詰めていた視線を外し小さな溜め息を1つ吐いた。 「…痛い。……って事は夢じゃない。」 頭上から聞こえた言葉に再び視線を戻すとキツく体を抱き寄せられた。 「…え?」 「…夢じゃない。………ずっと嫌われてると思って……」 「……ッ」 更にキツく抱き締められ思わず吐息が漏れる。 何?どういうこと? 解らない。 だって…、アンタには…。 「…アンタには大事なヤツが、いるんじゃ?」 「……いますよ。ずっと大事にしてる方が」 「…だったら、ソイツに」 「…だから、です」 閑の言葉にドクン…と鼓動が高鳴る。 唇が震える。 今の言葉は、本当…? 「…それだと、アンタの大事なヤツが……俺みたいに聞こえる」 「だから、最初から言ってるじゃないですか。……大事な方にしか言ってないって。僕の大事な人は、ずっと貴方だけです。…音夜さん」 「……っ!」 これは、本当に現実? 俺の都合のいいように作り替えられた夢の世界? 閑の大事な人が……俺? なんで?
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