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「あのさ、入るなら早く入ってくれない?邪魔なんだけど」 俺の言葉にビクッと肩を震わせキョロキョロと辺りを見ている。 「…?アンタだよ、アンタ」 俺の言葉に再びビクッと肩を揺らしやっと此方に顔を向けた。 「私のことですか?」 不思議そうな顔で聞いてくる男をジロリと睨み口を開く。 「アンタ以外に誰がいるんだよ?俺の目の前にはアンタしかいないんだけど」 「あ、いえ…、人に声掛けられるとかあまり無いこと…、というか、気付かれるのも珍しいというか…」 「自動ドアの前に立ってたら嫌でも気付くと思うけど?それより入るなら早く入ってくれない?」 俺の言葉に思い出した様に口を開くと目の前の男は再び自動ドアを見ている。
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