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「それがこのドア、壊れてるのか全く開かな…」 男が話している間に、ドアの前に立つと電子音だけさせ静かにドアが開いた。 「開くけど?」 「え?あれ?何で?」 俺と自動ドアを交互に何度も見詰め、首を傾げている。 「……もしかして、とうとう自動ドアにも存在を気づかれなかったの…?」 そう呟いた直後、男はまるで小さな子供みたいに縮こまり明らかに落胆の様子で座り込んでしまった。 その様子を暫く(しばらく)見ていたが、ため息を一つ吐き声を掛ける。 「どうでもいいけど、入るの?入らないの?大体、気付かれないなら気付かせたらいいだろ。ドアなんて感知しないのが悪いんだから叩けばいいだろう?」 そう告げるなり、男の体を引っ張りカジノ場へ入っていく。
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