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そして
気付くと蓮は独り橋の上に立っていた
え……？
彼は？
ちょっと……ここ何処？
焦って周りを見渡す
ここは……
そう、蓮が最初に立ち往生したあの跳ね橋の上だった
「あっ……」
橋の下を小さなゴンドラが進んでいく
そこには
こちらをジッと見つめる奏がいた
あっという間に小さくなって水面の光に紛れてわからなくなる
いったい何だったんだ
まさか昨夜のビールと薬がまだ残っているのか
夢でも見ていたのだろうかと思えるような出来事だった
ホテルに戻ろう
冷たい風が運河を渡る
首をすくめてコートのポケットに手を突っ込む
ん？
手に何か冷たい物が触れた
ポケットからそれを取り出すと
コースターくらいの丸いステンドグラスだった
「これって……」
蓮は橋から身を乗り出してゴンドラを探した
夢じゃなかったんだ
もう一度
手の中にある綺麗なガラスを眺める
光にかざして見る
半分は紺色に三日月が
もう半分にはオレンジ色に赤い太陽がデザインされたステンドグラス
太陽と月
奏
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