この想い…

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「美希っ!! ねぇねぇどーだったの、圭先輩にちゃんと渡せたの?返事はOKだった?」 教室に戻ると、親友の沙耶が矢継ぎ早に聴いてきた。 「渡せなかったよ…」 「えぇーっ!なんでよ?」 あんな場面を見ちゃった後に、渡せるはずないじゃん…。 私はついさっき体育館の裏での出来事を一部始終、沙耶に話した。 「美希ってさ… 度胸良いのか悪いのか分かんないよね?あんなにガンガン圭先輩と仲良くなれたのに、なんで告れない訳?」 沙耶の言うことはもっともだよ。 入学して直ぐ私の片想いは始まってて… 少しでも接点が欲しくて、部活の朝練がある圭先輩に合わせ、毎日3本も早い電車に乗って…。 今では普通に仲の良い後輩になってる。 1年近くを費やして、やっとここまでの関係を築いたんだよ?今更振られたら… 私の1年は水の泡じゃん… 「とりあえず、ムリだったの!」 八つ当たり気味に、沙耶の問い掛けに返事した。 「まぁね、美希がそれで良いなら何も言わないけどね」 沙耶の意地悪… 良い訳ないじゃんよ!! 「あぁーっ、もう!!なんであんなとこ見ちゃったんだろう!!」 こうして私の告白チャンス、初めてのバレンタインは、告白どころか何も出来ずに終わってしまった…。 .
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