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「ねぇ、沙耶… 圭先輩と詩織先輩って、最近仲良くない?付き合ってるのかな?」
「えっ、付き合ってないっしょ?美希の勘繰りすぎじゃない?気のせいだよ」
気のせいなんかじゃないよ!昨日だってその前だって… 二人で仲良く歩いていたもん。
「そう… かな?」
「つうかさ?気になるなら圭先輩に聞いてみたら良いじゃん。
美希らしくないよ?」
そう、私らしくない… そんな事自分が一番分かっている…。
サバサバした男っぽい性格の私が、2年もの間行動することもできず、ウジウジと悩んでいるなんて… 自分でも不思議なくらい。
いっその事、当たって砕けてしまった方がサッパリするのかもしれないと考えたりもした。
でも… 砕けた後の自分が想像できない。
それ程、圭先輩の存在は、私の中で大きくなっているんだと改めて思ってしまう。
校内で、圭先輩と詩織先輩の仲良く歩く姿を何度も見掛ける度に、二人の関係が気になって、私のモヤモヤした気持ちは増幅していた。
沙耶の言った通り、私らしく圭先輩に聞いてみようか?
「圭先輩? もしかして詩織先輩と付き合っちゃってるの?」
そう、私らしく…
そう何度も思いながら、それでもやっぱり聞くのは怖かった。
真実を知るのが怖かったんだ…。
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