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もちろん、叶えられるとは思っていない。
天使というのは嘘だろうし、魔術や神様、天界なんて物も嘘だろう。
ただ、アンジェとのやり取りが面白いだけだ。
「どうした? 早く連れて行ってもらおうか?」
僕が言うと、アンジェは渋い表情をした。
何か言い訳をするつもりだろうか。
「あの……行って何をするつもりなんでしょうか?」
「神を殺す。そして僕は新たなる支配者となる」
退屈な世界から抜け出して、完全なる僕の世界を作り出す。
僕が言うと、アンジェは目を見開いた。
そして、
「それはダメです! 神様は天界に安定を齎しているんですよ!? 第一殺せるわけが……」
ない。
まぁそうだろうな。神ともあろう存在が、僕みたいな一般ピーポーに殺されるようじゃ話にならん。
「別に神を殺す殺さないはどちらでもいい。とりあえず僕を天界に連れていけ」
退屈な日常から抜け出せるなら、別に何でも構わない。
最も、抜け出せるならばの話だが
「……わかりました。少し下がっていてください」
するとアンジェが、そう口を開いた。
まさか……本当に魔術でも唱えるんじゃないだろうな……
そんなふざけた話があるわけないぞ
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