そうだ。異世界にいこう

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普通の日常よりつまらないものは無い。 何も起きることなく、ただ目の前にあるものだけに没頭する。 そんな刺激の無い日常はつまらないが、嫌いではなかった。 この通り、何に邪魔されるでもなくラノベに集中できるからだ。 「くだらないな。」 そう言って、僕は手に持つラノベを放り投げる。 友人からの紹介で読んでみたわけだが、無駄金を使わされたようだ。 ノーマルな異世界ファンタジーなんて、行かないに等しいものだと僕は思う。 神の手違いで死に、蘇って異能の力を手に入れる。 そこまではいいだろう。 しかしそこからだ。 何故そこから悪を倒しに向かう? 最大の悪は、己の手違いで自分を殺してくれた神だろうが。 チート並の力を手に入れたならば、その力で真っ先に神を殺し、神をも超越する存在になればいいだろう。 そこが理解できない。 ということを友人に伝えたが、鼻で笑われただけだった。 「何言ってんだよ。王道を貫くから面白いんだよ、異世界ファンタジーは」 友人は僕を嘲笑うかのように言った。 そして「これ読めって。王道に惚れるから」とのことで薦められた本を買ってみたわけだが、僕には理解できなかった。
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