1954人が本棚に入れています
本棚に追加
/160ページ
普通の日常よりつまらないものは無い。
何も起きることなく、ただ目の前にあるものだけに没頭する。
そんな刺激の無い日常はつまらないが、嫌いではなかった。
この通り、何に邪魔されるでもなくラノベに集中できるからだ。
「くだらないな。」
そう言って、僕は手に持つラノベを放り投げる。
友人からの紹介で読んでみたわけだが、無駄金を使わされたようだ。
ノーマルな異世界ファンタジーなんて、行かないに等しいものだと僕は思う。
神の手違いで死に、蘇って異能の力を手に入れる。
そこまではいいだろう。
しかしそこからだ。
何故そこから悪を倒しに向かう?
最大の悪は、己の手違いで自分を殺してくれた神だろうが。
チート並の力を手に入れたならば、その力で真っ先に神を殺し、神をも超越する存在になればいいだろう。
そこが理解できない。
ということを友人に伝えたが、鼻で笑われただけだった。
「何言ってんだよ。王道を貫くから面白いんだよ、異世界ファンタジーは」
友人は僕を嘲笑うかのように言った。
そして「これ読めって。王道に惚れるから」とのことで薦められた本を買ってみたわけだが、僕には理解できなかった。
最初のコメントを投稿しよう!