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そして、横に倒れるごみ箱の中から新聞紙や生ゴミとともに現れたのは、やはり変態のようだ。
「痛いです~」
「お前がな」
白いフリフリのスカートに、袖の先にレースがあしらわれたシャツ……なのかこれは?
そして極めつけが、その何かわからない服の背中から生える白い羽だった。
なにかのコスプレなのか知らないが、とりあえず変態に間違いはなさそうだ。
「お前お前って言わないで下さい!」
「まだ一回しか言ってない」
白いフリフリ変態は、生ゴミを払い、頭の新聞紙をくしゃくしゃにして放り投げた。
「これとか、それとか、私は物じゃないですよ? ぷんぷん!」
「それについては事実無根だ。それに古い」
変態は頬を赤らめながら、「それもそうですね……」と、しおらしい声を出した。
……こんな奴と一緒にいる自分に、激しい自己嫌悪が襲い掛かる。
深夜の2時に身体が冷え込む中、変態と二人きりだと?
これが人生の節目になるんじゃないんだろうな。
「あ、そうそう」
変態は何かに気付いたような声を出す。
そして照れ臭いのか、何かをねだるように手をモジモジさせながら、首を傾けて言った。
「……あの、この事は神様の方には秘密にして貰えませんか――?」
人生の節目になりそうだ。
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