そうだ。異世界にいこう

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「あわわわ! やめて下さい~」 「なぜだ?」 そりゃ警察にお世話になるのは嫌だとかそう理由なんだろうけども。 「神様に……神様に知られては困ります……」 「なぜ君は僕の想像を超える答えを言うのか……」 悔しくも、アンジェを面白いと感じてしまっている自分がいた。 本当に悔しい限りだ。 「だから、だから警察には……」 必死に懇願するアンジェを見て、僕は少し考える。 言う言わないじゃない。 そんなものは言うに決まっているからだ。 ただ、どうコイツを弄んでから言うか。 そのことについて僕は考えているのだ。 「さて、どうしてやろうか……」 ふと、心の中のセリフが口に出てしまった。 アンジェは僕の言葉にビクッと身体を動かすと、どう受け取ったのかは知らないが、手を組みながら言った。 「あの……言わないで下さるのなら……言う事を何でも一つだけ叶えます……」 目を潤わせながら、アンジェはそう言った。 アンジェの提案に僕は考える。 彼女は自分自身を天使だと言った。初めは電波系かと思ったが、ここまで堂々と主張しているところを見ると、信じていいのかもしれない。 何より、背中に生える翼がどうも市販の物ではないのだ。 一つ一つ羽がしっかりとしていて、取り付ける金具も見当たらないのだ。 「君は……本当に天使なんだな?」 僕は問う。
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