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僕ははっきりと言った。
アンジェは驚いたかと思うと、一瞬にして表情を変え、目を見開き「へへっ?」と疑問符を付けながら空気を漏らす。
「どうした? 僕は一つしか願っていないぞ?」
畳み掛ける。
事実、僕は「永遠に願いを叶え続ける」という一つしか願っていないのだ。
何でもとアンジェが言った以上、僕の願いに逆らうことは出来ないはずだ。
そして、まだまだ他にも逆らえない理由は用意してある。
「で、でも……それは……」
「どうした? 天使が人間を騙すというのか?」
再度固まるアンジェ。
僕がアンジェにどこから来たのかを尋ねた理由がこれだ。
天使というのが嘘であれ電波系であれ、ここまでペラペラと喋らせておけば、今さら嘘でしたなんて言えないのだ。
「………………」
アンジェは押し黙る。
こういう場合は下手に発言せず、馬鹿なりの答えを待つ方が楽しいと僕は思う。
さて、どう返すか。
その答えは、数十秒後に返ってきた。
「……わかりました。天使である以上、嘘をつくことはできません……」
俯くアンジェを見て、僕は笑みを零した。
そう。それしかない。
答えはそれしかないのだ。
たとえ僕の願いを叶えなかったとしても、その際は警察に連絡するという方法があるのだ。
すなわち、どう足掻いても逃れられない。
僕の勝利だ
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