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上杉さんが嬉しそうに頷くのを見て、傍らの長塚さんに小声で洩らす。
「槙さん、カッコいいかたですね」
「ああ、男前だろ」
どうやら聞こえたらしい。
「……」
槙さんがじろりと長塚さんを睨んだ。
その上杉さんの意外な資格のあとに出た話が、皆をさらに驚かせた。
「サ……それ、知らなかった……」
「……私も、初耳……」
まずは長塚さんが面白そうに槙さんの話を、そして仕返しに転じた槙さんが嫌がる長塚さんの履歴を暴露した結果、もたらされた事実に皆は唖然。
もちろん、私は仰天。
のちに思い返して、彼の第一印象とだいぶ近かったんだと驚いたのだけど。
……長塚さん時々天然だから、意外な感じ……。
ただ、本来ならそれぞれが法と国を守る仕事に就いていたはず。
この二人は何で、警備員になったんだろう……。
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