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「色々、あったんですね」
「……まあねー……」
優しい増田さんの一言に、重々しく異口同音に答える二人。
セクハラとか、派閥争いとか。
そんな想像しかできなかったけど、二人はそれぞれ大変な目に遭ってきたんだろうなあ……。
会話の合間に長塚さんが席を立った時、
「柏木さん」
「はえっ」
ぼんやりと烏龍茶を口に運びかけていた私はびっくりして間の抜けた声を発してしまう。
いつの間にか横から私の顔を覗きこんでいた槙さんは、
「場所変えましょ」
……何ですか……!?
緊張が全身に伝わる。
けど、
「?」
脚がしびれかけてよろよろと立ち上がった私は、槙さんが上杉さんを手招きしているのを見てぴんときた。
「どうしたんですか?」
こちらに来てきょとんとしている上杉さん、そして私を見つめ、槙さんはにっこり笑う。
「三人で、お話しましょ」
ガールズトークのお時間だ。
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