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「そういえば今の時間、大丈夫だった?」
「大丈夫ですよ」
笑顔の愛さんが、運んできたカップとポットをテーブルに置く。
ポットを手に持ち、皆のカップに紅茶を注ぎながら、槙さんが口火を切った。
「じゃあ、柏木さん」
「はい」
私からか、と、心持ち背筋が伸びる。
何か、尋問でも始まりそうな気配までするよ……。
ところが。
「長塚君、意外とスケベでしょー」
「!?」
耳を疑いながら思わず愛さんとの距離を確認した。だけどここはカウンターに一番近いテーブル。
「お兄ちゃん?」愛さんが聞き返してくる。
「うん、普通にスケベよ。違う?」
「……」
逆に同意を求められた。
たとえ私がだんまりしても、これはきっと愛さんがぶっちゃけるな……。
諦めに近い気持ちで、答えた。
「エロいですね」
さも有りなん、って感じで頷いている槙さんとは対照的に、両手で口許を覆って目を見張った上杉さんは私をガン見している。
……でもね、すっごく目がきらきらしてるよ? 上杉さん。
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