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「時といえば、そうそう」
槙さんが前のめりになった。
「上杉、貴女の話も聞きたいわ」
「ええっ!?」
目を丸くした上杉さんの頬がぱあっと薔薇色に染まる。
女の子らしいわあと頬を緩める私は……自分でも何て、残念な……。
「貴女、気になる人がいるでしょ。違う?」
「私も……そう思う……」
そろりと挙手。
「実は上杉さん……大槻さ」
「駄目です――!!」
私の言葉を遮って叫んだ様子に、私と槙さんは顔を見合せた。
「やっぱりかあー」
「ってことは、槙さんも?」
「どうやら見込みは一緒みたいね」
と、いうわけで。
「まずは動機からよ、上杉」
怯えた上杉さんに迫る女が二人。
「お姉さん二人に、お話しなさい」
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