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遠くの方から、走る二人の足音が聞こえる。 俺は顔を上げた。 息を切らし、走ってきたのはミミの両親だった。 「山下燐くん……だね?」 先に、口を開いたのはミミの父だった。 「はい。初めまして。」 俺は頭を下げる。 すると、手術室の扉が開いた。 「先生!!ミミは?あの子は?」 ミミの母は、とても焦っていた。 「一命は取り留めました。しかし、お嬢さんの足はもう二度と、歩けないかもしれません。リハビリをし、様子を見ます。どうか、希望を捨てず奇跡を信じて下さい。我々も最善の手を尽くします。」 医師は先に運ばれたミミの後を、追った。 パンッ!と乾いた音が廊下に響いた。 左頬が痛みを増し、赤く少し腫れる。 「どうしてくれるのよ!!あの子お嫁にも行けやしない!!!」 俺を叩いたのはミミの母だった。 「「申し訳ありませんでした!!!」 俺は頭を下げる事しか出来なかった。 「ミミの足を返せ!!!!!ミミの幸せを返せ!!!!!!」 ミミの母は、泣き崩れた。 「保護者の方。お子さんが目を覚ましましたよ。」 看護婦が、ミミの病室から出て来た。 _
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