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電車に揺られながら、30分。 隣に座る賢は何も言わない。 急に私の手を引き走り出した賢。 理由を問い出しても、口を一切開かなかった。 「次で降りるよ。」 「え!!!?…うん…。」 私達が向かった場所は街の方にある大きな病院。 なんで、病院…? 賢は携帯を取り出し、だれかに電話をかけはじめた。 「着いたよ…。分かった…2階だね。」 賢は何も言わず、私の手を握った。 「行くよ。」 「うん。」 私達は病院の中へ入った。 エレベーターを使い、着いた場所は2階の入院棟。 ソファーにうなだれ座っているのは、燐だった。 「り「燐!!!!」 私よりも先に、燐の元へ駆け寄ったのは賢だった。 「賢……。」 すぐに消えてしまいそうな声だった。 燐と目が合う。 「渚…。たんじょーびおめでとう。」 無理に笑った燐の笑顔は見れなかった。 _
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