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ある病室から出て来た二人組。 「ミミの父です。」 「母です。」 私達三人に軽く会釈をする。 「はじめまして、ミミさんと同じクラスの坂口賢といいます。」 「あ。中村渚で…す。」 「渚ちゃんいるの!!?」 病室の方から、ミミちゃんの声が聞こえた。 「あの。渚さん?ミミに会ってあげて?」 「はい。」 私は病室に入った。 「ミミちゃん…。大丈夫…?」 「渚ちゃん。大丈夫だよ!」 いつものミミちゃんの笑顔だった。 「あ!プレゼントあるの!渚ちゃん今日誕生日でしょ?」 「あ!大丈夫だよ。私がやる。どこに入っているの?」 「ごめんね?鞄の中なの。小さな紙袋に入っているの。」 ミミちゃんの鞄はボロボロだった。 相当ひどい事故だったんだと私は思った。 「これ?」 「そう!開けてみて!!」 袋の中身は、イヤリングだった。 「実を言うと、私とお揃いなの!友達の証!」 「ありがとう。」 私は、涙が出るのを堪えた。 _
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