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いつも憧れの存在だった。
中1の春。
私は他の子みたいにあの人に恋をした。
多分、流されやすかったんだと思う。
みんなあの人に恋をして綺麗になって…。
私もなりたいって思った。
「あの。山下くん、呼んでくれる?」
三ヶ月の月日を経て、勇気を出した。
いつも一緒にいる中村さんに山下くんを呼んでくれるよう頼む。
私より、数倍も可愛い子だった。
同じクラスの男子も中村さんの話をしている程。
目の前に現れた好きな人。
振られるのを覚悟で思いを告げた。
案の定、見事に玉砕。
けれど、神様は小さな幸せをくれた。
彼からの、連絡を待ち…。
好きという気持ちを抑えつつ、彼の相談受けた。
辛かった。苦しかった。
だけど、時間は私の心を癒してくれた。
彼の力になりたい。
そんな思いが実ったのか彼との関わりは途絶えなかった。
もう、好きという感情なんかないはず…。
けれど。
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