3人が本棚に入れています
本棚に追加
「いらない」
僕は冷たく言い捨て、リビングのドアを閉める。
すぐにドアが開らき、年甲斐もなく唇を尖らせる母が呟いた。
「だって、今日は部会だけなんでしょ?
保管場所は炎天下の校庭の木陰じゃなくって、涼しい教室で部会だって、お向かいの柊くんが昨日言ってたわよぉ」
柊のやろぉ…またいらんこといいやがって。
産まれてからずっと向かいに住んでる、縁をきってしまいたいのに切れないあいつを思い浮かべて、眉を寄せた。
次会ったらあの透かした顔をおもいっきり抓ってやる。
学校でクールで通ってるあいつの痛みに捻れた顔を思い浮かべながら、
シューズの靴紐を結ぶ。
最初のコメントを投稿しよう!