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さてと、私はどうしようかな?
ふと前方に目を向ける。
翼君と田中さんが立っていた。
彼らは何も言わず、今から入る城の方をただじっと眺めている。
……何を考えているんだろう?
「いや、あのっ。ヒッ!」
そんな時、金田さんの声が背後から聞こえてきたので何事かと振り返る。
彼は中谷さん達に取り囲まれあたふたしていた。
「よっ、我らが金ちゃん、大英雄! 俺達の分も頑張ってきてちょ」
「金汚、生きて帰ってきたらご褒美に自信がつくように改良してあげるからっ! 整形じゃないやり方でね!」
二人に背中をバシバシと叩かれている。
「ひいっ、やめてください、ぼ、僕、プレッシャーには弱いんです~……」
金田さん、表向きは困っているみたいだけどなんだか嬉しそう。
こうやって仲間と騒ぐことが新鮮なんだろうな。
三人を遠目から眺めていると、ノインがやってきた。
「いよいよサリフとの決着をつけるときが来ましたね……」
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