【最後の城】

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「……えっ!?」 本当に一瞬の出来事だった。 陽子さんの姿が黒い液体状になり田中さんに飛びかかる。 そして彼にまとわりついた。 「ぬおっ!?」 その黒い液体は再び陽子さんの姿に。 そのまま、口を開け田中さんの肩にかぶりつく。 そして肉を噛み切るように一気に食いちぎった。 「ぬっ? ……ぐわあぁっ!!!!」 田中さんは顔を歪めて叫ぶ。 彼の損失した肩の部分が霧の様になり、そして暫くし元に戻っていった。 陽子さん……いや核は舌で口周りをペロリと舐め回す。 「クスクス……恐怖を感じる……ふふ。美味しい。やっぱり味わって食事しないと」 「なんだ、どうなってやがる!? なんで陽子が……」 「杉浦さん、事情はあとで話します! とにかくそいつは核なんです!!」 「なっ、なんだって!?」 今は田中さんを助けないと。 私はサリフに教えてもらったあのボタンを押そうとする―― が、その前に既に翼君がボタンを押して技を放っていた。
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