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予想するならば、だ。
おそらく足止めとして使ったノインの姿をしたあの人……
いや、サリフの説明からは私達の様に意志を持ち生きてはいないのだろうが。
多分、人の姿をしたエネルギーの固まりなんだろうと思う。
それが核の餌食になっていることは確実だ。
サリフの言う足止め。
己を食わせて時間を稼ぐ。
だからサリフは一番嫌いなノインの姿を……。
酷く寒気がした。
『おいっ! 足止めをもっとしろ! じゃないと追いつかれるぞ』
ナイトメアから聞こえてくるサリフの声。
ハッとする。
「た、足りない……?」
『そうだ。あいつは今お前等を食おうと狙っている。あんなまがい物をわざわざ時間をかけ食うわけがない。あれは適当に作った出来損ないだ。オリジナルには適わない』
――!!
「ふふ、うふふ。……次は誰……誰かな、かな……。誰にしよう……かなぁ?」
背後から聞こえてきた音が止み、その代わりに核の声がしてきた。
「ひっ!?」
金田さんが立ち止まり後ろを振り返る。
「おい、止まるな走れ!」
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