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「そんなことが……」
「信じられない。あんなの倒せるの!?」
私はなにも言うことができなかった。
「……とりあえずモニタールームに向かうのが先です。さあ、行きますよ」
田辺さんがスイッチを押そうとする。
「あっ、待ってください! このお婆さんと男の子はここに残すことはできませんか?」
だって、お婆さんと子供を守りながらなんていける自信がない。
ならば二人はここに残しておいた方が安全だと思う。
「すみません。それは無理です。この床はおそらく全てが開く仕組みだと思うので」
「そうですか……」
「こんな年寄りのことは気にしないで大丈夫ですよ。それよりもこの男の子の方を守ってください。お願いしますね」
「……」
少年は戸惑っているのか、私達から視線を外した。
「いや、何を諦めてるんですか。モニタールームまで辿り着くだけです、なんとか頑張りましょう」
田辺さんの言葉に皆頷く。
こうして私達は核の潜む黒のイベントへ足を踏み入れた。
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