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「な、なんですか?」
ひっ。吃驚した……。
いきなり怒鳴られたので肩がビクッとあがってしまった。
杉浦さんは怖い顔のままでまくし立てる。
「ナイトメアをぶっ潰したら俺にまずコーヒーを入れろ。誰よりも先にだ。いいなっ!?」
えっ?
「は、はい、それぐらい別に良いですけど。でも、何で今そんな話が?」
「チッ、聞くなよ、そんなこと! とりあえず約束だからな。忘れたら怒るぞ」
「は、はい……」
……ん?
これって、まさか……
「はは、杉浦さんの焼いた餅は荒っぽくて嫌っすね。僕は食いたくないっす」
「えっ?」
いつの間にか、にやにや顔で太一さんが私の隣に立っていた。
「おい、太一。……どういう意味だ、それは?」
「わわっ、聞こえてたんっすか、杉浦さん!?」
「この顔を見たら分かるだろ? 言いたい放題のお礼に俺の不運をテメエに全部擦り付けていってやる」
「ひっ、いたっ! いたたっ、やめ、やめてっす!!」
太一さんが杉浦さんに何度も蹴られている。
「うわっ。痛そうだなあ……」
「で、ですね……」
うーん。久しぶりに見たかも、この光景。
太一さんには悪いけど……二人がじゃれ合ってる姿ってなんだか和むんだよなあ。
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