72396人が本棚に入れています
本棚に追加
宮沢さんに影響されたのか金田さんが声を上げる。
「僕だって……頑張りたい……です。自分を変えるチャンスだと思うんです」
「金田さん。うん、僕もそう思うよ。頑張れば誰かが見ててくれるから」
朝霧さんと金田さんは共感したらしく頷きあっている。
「……おっさん。絶対やられないでよね」
「ああ、翼。分かってるさ。わしはゴキブリの様にしぶとい。知ってるだろ? だから簡単には死なんぞ」
「本当かよ? さっき死亡フラグみたいな台詞言ってたのどこのどいつさ……」
「はは……。あれはジョークだ」
核に食われた部分が痛むのだろうか?
田中さんの額から汗が吹き出ている。
それに表情も辛そうだ。
「……田中さん、本当に大丈夫なんで……」
「ああ、大丈夫だ。そうでなくともやらなきゃならない時がある。わしは最後まで戦うぞ。それがランキング一位であるわしの意地だ」
「……」
田中さんのくだけた雰囲気はもうそこになかった。
私を見る目。
まるで別人のよう。
何故だかゾクッとした。
「えっと……みなさん。お話のところすみません。少し宜しいでしょうか?」
伺うように声をかけてきたのは田辺さんだった。
「あ、はい。なんでしょう?」
「とりあえずモニタールームへの行き方。隠し通路の場所を皆さんに教えておきたいのです」
彼は意味深に間を空ける。
「あの……どうしました?」
「いえ、誰が生き残れるか分からないので。……やはり、全員にと思いまして。すみません、縁起でもない」
「……いえ、大丈夫です。じゃあ、教えてもらえますか?」
私達は田辺さんから行き方を教わった。
「もしも核を倒すことができたなら……誰かが必ずスイッチを押しにいってください」
「分かりまし……」
ん?
ナイトメアのランプが点滅。
通信メールだ。
こんな時に一体誰から?
最初のコメントを投稿しよう!