【最後の城】

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――ペタペタ、ぬちゃ、ぬちゃ。 背後から女が迫ってくるのが足音からも分かる。 捕まるのが怖い……。 ――と言うか、捕まったらどうなるのだろう? 恐怖で心臓がバクバクと鼓動する。 「舞さん、頑張って。絶対に立ち止まっちゃ駄目だよっ!」 「はいっ……!」 もっと早くいけるだろうに……朝霧さんが私と登るペースをあわせてくれた。 「あ、ありがとうございます」 朝霧さんは特に何も言わず、ニコッと目を細めて笑う。 「おい、逃げんでもワシら全員でかかれば倒せるんじゃないか?」 「ハッ、た、たたた確かにっ、ですね、はい」 緊張しているのかどもる金田さん。 立ち止まる二人に気づいた翼君が振り返り叫ぶ。 「馬鹿じゃないの? それならサリフって奴も逃げるわけないしっ! てか、立ち止まってたら死ぬよ!!」 「ぬぬっ!」「ヒッ!!」 二人は顔を見合わせ、血相を変えて走り出した。
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