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耳元で目覚まし代わりの携帯のアラームが鳴る。
うるさいなと思いながらも、モゾモゾ動いて携帯を探す。
風紀委員長たるもの遅刻は厳禁だからな。条件反射のように、眠気は消え、意識は覚醒する。
ん?
右手が何か温かいものに触れたような……。
いやいやいや、苓を好きになってからは誰もベッドには連れ込んでいないから、そんなはずはない………はず。
まぁ、確かに欲求不満だった。
それは認める。あっさりすっぱり認めよう。
なんたって毎日夢に苓が出てくるようになったんだから、もう、欲求不満以外何物でもないだろう。
自分で言うのも何だが、あれだけとっかえひっかえ抱いてたんだ。それをぴたりと止めた。
苓が好きだから……、適当に誰かを抱けなくなってしまった。
昔の事だが、絶対苓に知られたくない過去だ。
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