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だから、この温もりは何だ?
余りに欲求不満で、無意識に誰かを連れ込んだのか?
俺は自分の理性を信用してない………。
とにかく事実確認だ。
恐る恐る温もりの方に腕を伸ばす。
布団を一気に捲って確かめないのは……怖いからだ。
ピトッ
………行き止まりに衝突、
あぁ、残念ながら人肌だ。
この位置からいって腰の辺りか……裸だしなぁ。
これは絶対抱いてしまってる。
一気に血の気が引く。
とっ、とにかく苓にバレないように、穏便に事を隠さなければ。
「あん、もう、朝から盛んないでよ! 昨日あんなに激しかったのに、まだ足りないの?」
久しぶりに触れた人肌に、俺の手は無意識にその感触を堪能していたらしい。
パシッと手を叩かれた。
ああ、可愛い声。この声を朝から、しかもベッドの中で聞けるなんて、今日はなんていい日なんだ。
「おはよう、蘭兄ぃ」
呆然としていたら、モゾモゾと布団の中で動いた気配がして、ピョコッと苓が顔を出した。
「おはよう、苓」
目を擦りながらまだ眠たそうな苓、髪の毛が寝癖で跳ね回っている。
可愛い。下半身に直結する可愛さだ。
冷静に挨拶しながらも、心臓はドキドキ、ドキンドキン、ドクンドクンと派手に運動をしている。
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