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苓が作った朝ご飯を食べ、一緒に登校する。無邪気に腕を絡ませてくる苓に、心臓はバクバクものだが、幸せだ。
「苓、おはよ。また蘭稀の部屋に泊まったのか?」
現れた咲が苓を俺から器用に剥がしていく。
「へへっ、だって一緒にいたかったんだもん」
苓は可愛い事にぎゅっと抱き付いてくる。
「こら、副会長が風紀を乱さない」
咲がまた苓を引き剥がす。
「やだ。教室まで一緒に行くのー」
ぎゅーっと剥がされないように抱き付いてくるその腕の力に、鼻血が出そうな程興奮してしまう。
ずっと好きだった。
叶わないと思っていたのに、いつの間にこんなウハウハな状況になったんだ?
「蘭なんか止めとけ。我が兄ながら、コイツは情けないからな」
イヤミな弟がいつの間にか現れ、いつもの挨拶とばかりにキスをしている。
「燦ちゃん! おはよ」
ちゅっなんて、苓もキスを返している。
俺の苓にキスをしてもらうなんて、五百年早い!!
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