いつかのクリスマス

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張り切って作った料理がテーブルいっぱいに並ぶ。 一緒に住み始めて最初のクリスマス、記憶に残るものにしたくて、いろんな準備に一週間もかけてしまった! 紘一喜んでくれるかなぁ。 勇気を出して一緒に住むようになって1ヶ月、これからいろんな記念日を二人で作っていこうなって紘一が言ってくれて………、だから頑張ってしまったってか、頑張りすぎたかも。 リビングには大きなクリスマスツリーを置いて、ついでに小さなサンタクロースの格好をしたクマのぬいぐるみを飾ってみる。 …………これはちょっと恥ずかしいかなぁ。まぁ、クリスマスだし、童心に帰るのもいいよね? もうすぐ10時、紘一がバイトから帰ってくる時間だ。 早く帰って来ないかなぁってそわそわしてたら、ガチャンと鍵があく音がして、紘一が帰って来た。 「おかえりー!」 パタパタと僕は紘一に駆け寄り、頭2つ分背の高い体に抱きついたっていうか飛び付いた。 「ただいま、苓」 ぽすっと僕をその広い胸に抱き留めて、嬉しそうに微笑んだ。 「ん? いい匂いがする」 僕の頭をグリグリ撫でながら、鼻をくんくんさせる。 自然な紘一の仕草に、何だか嬉しいというか、恥ずかしい っていうか、とにかく幸せだなぁってくすぐったい気持ちが溢れてきた。 「ねぇ、頑張って作ったんだよ」 早く料理を見てほしくて、コートを脱ぐために解いた手を引っ張ってリビングに連れて行く。 「すごいじゃないか、苓」 目を丸くして驚いた紘一、本当に僕の欲しい反応をしてくれるから、自然と得意げな笑みがこぼれてしまう。 ぐぅー タイミング良く紘一のお腹が派手な音をさせた。 「………お腹いっぱい食べてね?」 真っ赤になった紘一が可愛くて、思わず背中から紘一に抱きついていた。 .
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