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咲が朝のように俺を引き剥がそうとする。どこまでも邪魔な奴!
「苓、帰ろか」
両腕で苓をしっかり確保しながら、苓に嫌と言わせないオーラをチラつかせる。
「もう、蘭兄ぃったら。咲りん、僕今日帰るね」
「ん、分かった。蘭稀、あんなり苓を攻めるなよ」
「保証は出来ん」
やりたい盛りの俺に手加減が出来るかって言ったら無理だな、絶対。
「苓、蘭なんか捨てて、俺にしなよ」
燦が苓に厚かましくキスなんかしてる。
「燦!」
ジロッと睨んでから、苓の手をとりさっさと歩き出す。我が弟ながら、奴は危険だからな。今までだって何度手を出され奪われた事か。
苓だけは絶対渡さない!
当然俺の部屋に直行、扉が閉まると同時にキツいくらいに抱き締めた。すっぽりと腕におさまる苓は、そっと手を俺の背中に回してきたから、まぁ、1日悶々としていた俺の体は瞬殺でやられた。
「あん、もう!」
明らかな俺の下半身の進化に、真っ赤になりながらも照れたように笑った。
「苓……」
そっと柔らかい頬を両手で包み込み、顔を上に向けさせる。潤んだ瞳に欲が滲み、今からの行為を苓も求めているのだと思うともう止まらない。
優しく……なんて思っていたはずなのに、勢いよく苓の口を塞ぐと、微かに開いた口内に舌を差し込む。
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