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いや、分かってたよ。
夢だって。
苓が俺の腕の中にいるなんて有り得ないって幸せな夢の中にいながら思ってたからな………、あー、俺って悲しい人間。
でも、せめてあと10分、いや5分後に目覚めてもいーじゃないか!
何も今から挿入、繋がれるって時に目覚ましがならなくても! 何で俺目覚ましなんかセットしたんだ? あー、あんな素晴らしい夢、もう二度と見れないかも知れないのに!
バカバカ、俺のバカヤロウ!
バタバタと足をバタつかせ、バンバンと枕を殴って、ポカポカと自分の頭を叩いても、この悔しさは晴れない。
よし、こうなったらこの夢を正夢にしてやる! で、苓を一日中、一週間、いや一生抱いて抱いて抱き尽くしてやる!
ぐっと拳を突き上げ、不毛な誓いをたてる蘭稀だった。
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