いつかの夏祭り

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「もう、遅いよ!」 灯りを消した寝室でベッドヘッドのライトだけが点いていた。 裸で横になる苓が目に入った途端、一気に下半身に熱が集まり、ぐいっと目を覚ます。 「……苓」 一直線にベッドに向かうと、苓が両手を差し出してきた。 いいのか、俺。 この手を取ると苓に掘られる事になるんだぞ。 いいのかぁ、俺!! 頭の中の葛藤とは違って、体は素直に苓に引き寄せられ、ベッドへと押し倒された。 「いやっ、あの……」 「もう、黙って」 しどろもどろになる俺の唇を塞ぐと、舌を絡ませてきた。 …………流されるか………、諦めににた感情が俺を支配して、覚悟を決めるように目を閉じた。 焦る俺を見たかった………とにこやかに笑う苓を殴りたくなったのは仕方無いと思う。 可愛い苓のイタズラ好きは気をつけようと改めて肝に銘じた夜だった。 .
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