いつかのちょっとした好奇心

3/10
前へ
/40ページ
次へ
「1人?」 俺がもうずっと誰も連れ込んでないのを知っている癖に、累は毎回聞いてくるからイラっとする。 「寂しく1人だよ」 そうだよ、この俺がずっと寂しく1人で抜いてるんだよって、言われてもないのに僻んでしまう。 累は今だに食いまくっているらしいけど。 「そんな事言ってないでしょう? もう、苓ちゃん諦めて、少ない学園生活を楽しんだら?」 「俺はお前みたいに割り切れてないんだ。放っといてくれ」 「あら、拗ねた?」 勝手にキッチンに入り、冷蔵庫から飲み物を取り出すと、ソファーに座ってた俺の隣りに座った。 「累、狭いからあっち座れ」 累は綺麗だが、体は大きい。二人で座るには明らかに狭いだろ。前にあるソファーを指差すのに、 「まぁ、いいじゃない。話しもあるし」 そう言うから、思わず体が強張った。 .
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

196人が本棚に入れています
本棚に追加