いつかのクリスマス

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紘一の顔を見ていられなくて、僕は視線を外す。 「苓」 下を向いたままの僕の顔を上に向けさせる。 自然と視界が歪んでくる。 紘一の隣にいられないなんて考えられないよ。 紘一はちょっと困ったような顔をして、 「苓、ずっと隣りにいてほしいけど………」 「けど………?」 もう僕の涙は溢れる寸前、ぎゅっと紘一のTシャツの裾を握り締め、次に続く言葉に構えた。 紘一はニヤリと笑って僕にチュッとキスをした。 「夜は隣りじゃなくて、俺の下にいろよ。まぁ、たまには上もいいな」 「なっ………!」 一気に顔が赤くなる。 本気で隣りにいれなくなるかもって心配したのに! からかうなんて酷い! 「とりあえず、今からは下だな」 怒りに震えている内にあっさりとソファーに押し倒された。 「明日から冬休みでよかったよ」 「なんで?」 嫌な予感しかしないと言うか、答えは分かっているんだけど、とりあえず聞いてみた。多分顔は引きつっていたと思う。 「朝までコースだから」 当たり前だろと言う顔をして、あっさりと言われた。 「ずっと一緒にいてくれるんだろ?」 僕は大きく何度も頷いた。 「じゃあ、苓は俺の嫁さんだ な」 「嫁?」   「そう。可愛い可愛いお嫁さん。だから旦那様としてはいっぱい愛してあげなきゃいけないだろ?」 「うぅ……」 「苓、愛してる」 愛してる、それは魔法のような言葉。   心が幸せで満たされていく。    近いてくる紘一、僕はそっと目を閉じた。 この幸せがずっと続く事を願って……。 .
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