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「先輩、どうしてそんなに嫌がるんですか……」
「そんな泣きそうな顔したって、頭を撫でて慰めるくらいしかしないんだからね」
「本当にツンデレになっただと!?」
僕は……僕は弄ばれているッ!
「いや、何度も言ってるでしょう?恋人とかそういう以前に、あなたと私は友達として出来上がっているのよ」
だから無理、と。先輩は僕を突き放す。
僕は……顔を歪めて、ただうなずくしかない。
「これこそ勘違いしないでよね、別にあなたのことが嫌いなわけじゃないんだから――よ。これからも友達としてやっていきましょう。……ね?」
笑顔の先輩だけど、僕はとても――そんな気分にはなれなかった。
先輩は僕の方をチラリと見て、再びため息を一つ。
そんなに僕の顔は納得していないのだろうか。
いや、納得出来なくて当たり前だ。
恋。それは重く想うもの。
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