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「…………」
そのまま会話は途切れ、先輩は再び読書を始める。
ああ、先輩に無視された。こんな僕に生きてる価値ってあるの?
見て、先輩のあの無表情。超可愛い。
ページをめくる音をひたすら聞いていた僕だったけれど、数分して先輩はため息をひとつ。
「……はぁ。分かった。分かりました。話は聞くわ。だからその陰鬱な空気を仕舞いなさい」
「……え、いいんですか?こんな僕みたいな、存在してる価値もない塵芥の話を聞いてくれるんですか?」
「だから正直迷惑なのよ。そんな陰気くさい雰囲気を纏われちゃ、優雅に読書もできないじゃないの」
言葉は辛辣だけど、ポジティブに考えればつまり……!
「『勘違いしないでよね。あなたの為に話を聞いてあげるんじゃないんだからね』ってことか!?」
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