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丁度その頃…正十字学園の一室で一人の男が仕事の整理をしていた。
彼の名はメフィスト・フェレス。
この学園の理事長であり、また祓魔師になるための塾・祓魔塾の塾長を勤めている者だ。
一見普通の男に見えるが、実はこう見えて結構な趣味人であり、今もデスクの上には萌えキャラのフィギュアが飾られている。
また寝室にはゲーム機が散乱しており、今も一時停止の状態で放置されていた。
しかもこの男…人間ではなく悪魔なのだ。
それを知っているのは僅かである。
さて、冒頭に話を戻そう。
その男…メフィストは私(作者)が解説をしている間に仕事の整理を終わらせたようで、仕事の物を片付けていた。
余程ゲームがしたいのだろう…普段ならのんべんだらりと仕事をするメフィストが早めに仕事を終わらせたものだから、仲の良い教師であるイゴール・ネイガウスは目をパチクリさせていた。
ネイガウス「もう終わらせたのか?」
メフィスト「ええ。…そろそろ彼等が来る頃ですしね☆」
すると、バタバタと音がして部屋の前で止まった。
コンコン…
メフィスト「どうぞ☆」
?「「失礼します」」
入ってきたのは双子の兄弟だった。
眼鏡をかけた方は渋々といった感じだが…。
メフィスト「どうしたのですか、二人とも?(笑)」
彼等は奥村兄弟といい、兄の奥村燐と弟の奥村雪男である。
実はこの二人…メフィストの腹違いの兄弟なのであるが、双子はそんなことは知らない。
大方小遣いでしょう?
とメフィストが笑うと、兄の燐はそうだ!と突っぱねる。
メフィストはやれやれと首を降り、財布から二千円札を一枚取り出した。
毎度の事でもうすっかり慣れたようだ。
《1ヶ月で二千円》という、
過酷な生活をする奥村兄弟。
朝と夜はメフィストの使い魔・ウコバクに頼み、昼は燐の手作り弁当で何とか切り抜けているが、弁当用に買う食材に二千円を使うのだ。
だから安い食材を買い込み、それで1ヶ月を過ごすのである。
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