第0章

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入学して二週間ほどが経った。 僕は中学の頃同様、行けそうであれば行き、行きたくなかったら行かないという事を繰り返していた。 自分からは話しかけられず、話しかけられても軽い返事しかしない。 そして休みがちな僕は、早くもクラスで浮いた存在になりつつあった。 学校へ行けば周りの視線が痛く、行かなければ自己嫌悪に陥り自傷行為を繰り返す。 負の連鎖にはまってしまった。 そんなときだった。 珍しく僕に話しかけてくる子が現れた。 名前は…覚えてないが ショートカットで無邪気に笑う子だった。 二時間目の後の休み時間に急に話しかけられた。 「ねぇ天ヶ瀬さん、天ヶ瀬さんって悩みごととかある?」 あまりに急で、驚いて少し固まった。 どう答えようか迷ったが、 「まぁ、無くはない」 とだけ答えた。 「じゃあ、相談部に行ったらいいよ!部長の如月さんって人がいいアドバイスとかくれるから!」 相談部…。 噂でよく聞く。悩みを聞いてくれるだけじゃなくて解決してくれたり探偵みたいなことをするらしい。 校内では有名だ。 よけいなお世話だと思いながらも上辺だけはお礼を言っておいた。 あぁ、僕はほんとに可愛くない。
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