第0章

8/10
前へ
/14ページ
次へ
扉…。 この無機質な一枚の板をはさみ、僕は相談部の前まで来ていた。 ……どうしよう。 来てみたのはいいが入るのはなんとなくためらう。 悩み。 それはいくらでもあった。 だがこんなに重い話をして、妙な雰囲気になるのは悪い。。。 そもそも相手はあくまでも「人」なのだ。 相談をすることができるかもわからない。 …やっぱりやめておこうか。 そう思い、扉から目をそむけた。 それと同時に扉が開く。 「何か悩んでるんでしょ?入ってってよ。」 …っ!? 驚いた。 急に扉が開いたことに。 振り向くときれいな長い黒髪の女の人がこっちを見て笑っていた。 クラスのビッチ共とは違い、屈託のない笑顔だった。 そして、なんとなく不思議な雰囲気をかもし出す人だった。 「さっきからずっと扉の前で突っ立ってたでしょ?入ってくるの待ってたら帰りそうになるんだもん。さ、早く入って!」 僕が悩んでたのがわかってたのか…。 とりあえず断るわけにもいかないので部室にお邪魔させてもらうことにした。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加