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そこはごく普通の部室だった。
中にいたのはさっきの女の人、
こっちに笑いかけてきているショートカットの茶髪の子。
そして後ろのほうで分厚い本を読んでいるメガネをかけた子の三人だった。
僕の学校は部活として必要な人数は三人でいいのだ。
部屋は普通で、中央に机とソファー。
あとは本棚や部長の机?がある程度だった。
「座って。」
不思議な雰囲気の女の人に言われるまま、ソファーに腰掛けた。
「私は如月 水稀。これでも相談部の部長をしているの。
で、この子が葉月 亜衣ちゃん。」
如月さんの指したほうにはショートカットの女の子がいつの間にかお茶を持って立っていた。
「亜衣です。今お菓子切らしてて…。お茶だけですがどうぞ。」
「ど、どうも。」
如月さんは綺麗だが、この人はかわいい感じだ。上靴の色から二年生ということはわかるが、どうも年上には思えない。
いい意味で、だけど。
「で、あそこで本読んでるのが山崎 夕(やまさき ゆう)ちゃん。無愛想だけどいい子なのよ?」
目を向けるとあっちもこっちを向いていて、目が合う。
軽く会釈をされたので頭を下げた。
が、頭を上げると山崎さんはもう本に目を戻していた。
如月さんとはちょっと違った意味で不思議な人だ…。
山崎さんは如月さんと同じく3年生だった。
「あ、僕は天ヶ瀬 藍です。」
それ以外に言う事も見つからなかったので名前だけ言って黙る。
「そう、藍ちゃんね。可愛い名前じゃない。」
そういって笑う如月さんはすごく美人で羨ましくも思えた。
こんなに綺麗だったら僕も少しは人生が楽しかったんだろうか…。
「で、何かお悩みがあるんですか?」
聞いてきたのは葉月さんだった。
そうだ、ここは相談部だった。
なんとなく居心地が悪くなかったから来た意味を忘れかけていた。
「あっ、そうだったわね。藍ちゃん。ゆっくりでいいから話聞かせてくれる?」
…。
やっぱり人に悩みを相談するのはなれてないせいか緊張する。
如月さんは黙って僕が口を開くのをただ待っていてくれた。
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