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昼休み、購買へパンを買いに行って、教室に向かう。
「あ、及川!」
名前を呼ばれて振り向けば、担任が手招きしていた。
「何ですか?」
「これ配っといて」
先生の手には、ノートの山。
「先生、それ日直の仕事じゃねぇの?」
ノートを受け取りながら聞いてみる。
「今日の日直、糸川だから、皆に配るのとか苦手かなって思って。」
…なるほど。
納得した顔をすると、頼むなと言い残して、先生は去って行った。
教室に戻って、さっさと配る。
「糸川。はい、これ」
最後に糸川のノートを持って、お弁当を食べていた糸川に指し出す。
糸川は持っていた箸を置いてノートを受け取りながら、ペこりと頭を下げた。
「糸川の弁当、うまそうだね」
チャンスとばかりに声をかける。
糸川は、キョトンとした顔をして、弁当に視線を戻した。
しまった、余分な事言った…。
そう思って席に戻ろうとしたら、糸川がもう一度、俺を見た。
「…いつも一人で食べてるけど、寂しくない?」
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