10/11
前へ
/101ページ
次へ
糸川は話さないから、必然的に俺が話さなければいけない訳で…。 できれば、困った顔より笑顔が見たいし…。 パンをかじりながら、考え込んでいると、『ふっ』と微かな息を吐き出した様な、声と言うか音が耳に届いた。 糸川を見れば、笑顔で、俺の視線に気付くと、目を逸らされてしまった。 もしかして、俺の悩んでる様が面白かったのかも? 「俺、可笑しかった?」 問えば、糸川はバツが悪そうな顔をしながら頷いた。 「…そっか。ははっ」 何か、俺笑われてんのに嬉しかった。
/101ページ

最初のコメントを投稿しよう!

454人が本棚に入れています
本棚に追加