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さっき、注意してたの糸川だよな…。
見渡しても他に誰もいないんだから、間違いなんてあるわけがないけれど、初めて聞いた声だから、あれが糸川の声だっていう自信がない。
「お姉ちゃん、行くよ~」
階段を登り終え、また滑り降りる女の子に笑顔で応じている糸川は学校にいる時と、まるで別人の様で、なかなか声をかけることができなかった。
糸川の新しい一面をもっと見ていたい。
そう思っていたからかも知れない。
そうは言ってもこんな所でずっと見ている訳にも行かないし、何より竹内を待たせているという事をやっと思い出し、糸川に近づいた。
「糸川」
声をかけると、糸川がこちらを振り向いて、ビックリした顔をした。
「…え?」
一言発しただけで次の言葉が出て来ない。
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