声を聞かせて

５

「まぁーた那緒ちゃん見てる」

呆れた声が後ろから聞こえた。

「…うるさいよ加山。そういえば、仲直りしたのか？」

向き直って加山に問えば、ニッコリと笑う加山。

「…そうかよ。まぁ、良かったな。」

「で？」

「は？」

加山の「で？」の意味が分からなくて聞き返せば、呆れた顔で

「は？じゃないよ！で？どうなってんの？」

と文章は長くなったけど意味不明な質問。

「だから、何が？」

「そんなの那緒ちゃんと進展あったのかって聞いてんの！」

主語も述語もないのに分かるかっつーの！

「…別に。また一緒しようって言っただけ」

突っ込むのも面倒で普通に答える。

「またっていつ？」

「さぁ？」

「ダメじゃん！」

盛大なため息とともにダメ出しされた。